透き通って今にも太陽がつかめそうな日が苦手な時は、暗闇に優しく浮かぶ紅葉がいい
今週のお題「紅葉」
秋のひとときに、何も考えず、空をただただ眺める時間が欲しい。
甘い香りのコーヒーが傍らにあると、さらにいい。
毎日、幹線道路を子供とともに自転車で走りながら、思っている。
私にとって、流れている時間はいつも誰かのため。
煩わしい感情を吐き出されても、
よわよわしく笑顔でかわし、やんわりとした空気に変えるだけ。
怒ることもないし、日々平穏に過ぎていく。
どうしてなんだろう。
日常の中にある小さな違和感。
「黒い羊」は私の生活のどこにでも顔を出す。
それでも、何とかやりすごせる。
きっとその違和感をそこらへんにうやむやにする位は、
世慣れてきた。
遠い異国を思って空を見上げたら、飛行機。
いつだってふと気が付くと、
「ここではないどこかに」行ってみたいと思う。
きっとどこにいっても、
この日常の中にある小さな違和感はついてくるって知っているのに。
「ここではないどこかに」また行きたいと思う。
そして、帰るべきは「ここ」。
ずっと違和感をかかえながら「ここ」に何度も戻ってこよう。
青空と紅葉は、私の心をよどんだ色に染めていってしまう。
透き通って今にも太陽がつかめそうな日は、苦手だ。
眩しくて痛くてつらいだけ。
今は暗闇に優しく浮かぶ紅葉を思う。
秋の光の輝きや鮮やかさは、必要ない。
静かな夜に紅葉狩りに行こう。
ひとりで行こう。