在宅で過ごすのが贅沢な時代
皆さんはどこで死にたいなーって希望、ありますか?
昔は、家で看取られるのが一般的だったです。
治療って治療も、そんなにしなかったと思う。
ちょっと点滴する位かな?
付き添いさんがいた大昔~施設で長期療養の今
私の大昔の現場感覚だと、ちょっとリッチな患者さんには「付き添いさん」とか「家政婦さん」が一人の患者さんに専属でついていたんです。
そして、そういう「付き添いさん」は病院でものすごく都合のいい存在だった。だって、患者さんの横で寝泊まりして「24時間常時見守り」してくれてるんだもの。
生活の場所としては、いろいろ支障がある部分を付き添いさんがすごくカバーしてくれてたと思う。
過去にはこちらが忙しいのを「点滴抜いといたから」ってすごい気をつかってくれてるいう人もいたなあw
病院のヌシが「付き添いさん」っていうケース、昔はよくあったんです。。
それが、介護保険が始まって「付き添いさん」が病院からいなくなり、在宅で看取る流れを作ろうとしている。
できれば自宅、もしくは施設へ患者さんが行けるように底辺病院の中の人は頑張りますよ。
悪戦苦闘しながら数ヶ月とか半年かけて、出来るだけ点滴やおしっこの管やら鼻の管やらを取り払っていきます。
あと、可能であれば、トイレに何回も何回も誘って、行く習慣も思い出してもらう。
さらに、食べれない人や食べる時の喉・舌などの体の動かし方を忘れてしまった人に食べることを再学習してもらいます。
NOラインで施設へと送り出しても
できればおうちに帰ってもらうのが一番理想だけれど、それがかなわない事情がいろいろあります。
だから、せめて、生活の場として整備されている施設に送り出します。
その時は、去っていく車にぶんぶん手を振ってお見送りしながら、
「数ヶ月でも苦しい治療がなくすごせる期間があれば患者さんにとっては幸せだろう」
と信じて、送り出します。。
「これで適当に施設でこの世を満喫できるといいんだけどなあ」
って思ってます。
リロケーション・ダメージ
ところが、高齢の患者さんって、
施設に行くという「環境変化」だけでもすごいストレス。。
下手をすると施設に転居直後に。。。ていうケースも結構あります。
それでも多くの患者さんは、
「最後は苦痛の多い治療もしないで穏やかに過ごせる」
っていうことを何割かは期待して、希望をもって施設へいくんだと思います。
そう思わないと、私、この仕事やっていけないです。
続く。。