准看さんの進学する意味
准看護師さんは、だいたい年齢ボリュームゾーンがアラフォー辺りで、結構やんちゃしてたような印象の人が多いです。
その見立ては間違ってません。
結構、ちゃきちゃきしてて、苦労人が多い感じ。
そんなひとりの准看さんの話です。
准看さん 進学コースの受験生に
時々、仕事中に「休憩時間に小論文の添削してよーっ」てすり寄ってきたりして。。
ああ、いったいどうしちゃったんだろう?って不思議だった。
今さら「なぜ看護師資格を取りに進学したいのか?」っていう動機が、はっきりしなかった。
経済的には玉の輿婚だし、おそらくお金には困ってない。
そしたら、
「自分の肉親がホスピスで最期を迎えた経験があって、看護師になろうと思った。」
「最初に仕事をした場所が外科系で大変だったけれど、本当好きで得意な分野。」
(准看さんに私、いつも処置のお作法が雑!って怒られてるw)
「でも、気が付くと肉親の最期をみとりながら仕事してた。その時はめんどくさいって思ってた。」
「今は、介護ではなく子育てをメインに幸せに暮らしているけど、離れてみたらホスピスが好きかもしれないって思うんだ。死にゆく人のいる場が好きだったのかもしれない。」
みたいな話をしてくれた。
ほんとにすごい人だなあ、と素直に感心してしまった。
正直、ホスピスで働くには、准看だとほぼやとってくれない。
東京は特にそうだけど「それなりに経済的成功をして地位がある患者さん」が多いから、最低でも看護師でないと難しい。。
若くして病気になってしまって、無念な思いをしている患者さんが多いから、距離感を間違えてノーガードでいくとかなり精神的にこちらがまいってしまう場所でもある。
そこで、昔ならきっとあきらめていたと思う。
でも、今、頑張りたいって気持ちになったんだなあ。。
きっと看護師の仕事は、否、医療関係の仕事はお金だけが動機の人がやるべき仕事ではない、と思います。
そういう人がやっても、楽しくはないです。
多分、「人間の体と心、存在自体に興味がある人」が医療関係の仕事をすると楽しいし、長く続くと思います。
そして、完全理系なロジカルな世界でもないし、文系要素というか感性の世界でもあると思います。
人間の体の不思議を面白がれる科学的な視点
意識があると思えない患者さんであっても、対等に話をしようと働きかけることをいとわない人間的な視点
どちらも大切で、欠けてはいけないと思う。。
きっと「人間好き」なら看護師のお仕事は楽しいです。
海外だと、ちょっと回り道して看護師の仕事をする人、結構多いです。
大学卒業後、看護系の単位を取るために再入学することは不思議ではないんです。
「人間的な成熟」が看護の仕事をするうえで大切だっていう前提があります。
大学に進むときだって「ギャップ・イヤー」があるしね。。
日本でも、社会人経験者を積極的に入学させていこう、みたいな「人間的な成熟」をよしとする背景がようやく最近整いつつあります。
そうすれば、もうちょっと雰囲気も変わってくるんだろうなあ、と思っています。
続く。。