看護師になるまで 進学コース編
准看護師から看護師への道 進学コースという名の黒歴史
バブル崩壊寸前の雰囲気を背後に感じつつ、都立某看護学校に入学
私の通っていた都立某看護学校は、偏差値も平凡でとりたてて何がおすすめという特徴もないもなかったと思います。(きっぱり)
ただ、学費その他の面で抜群のコスト・パフォーマンスを誇っていた学校だったので人気があっただけでした。
入学後に発覚したのは、定員より一割増しで合格者を出していました。
看護大学や有名大学病院付属の専門学校のすべり止めに受けている層が多かったのかもしれません。
学費だけじゃなく、奨学金を申請する時に都立パワーを実感しました。
同級生にきくと、みんないろんな奨学金をもらっていました。
どこも比較的いい条件で貸し付けてくれていました。もしくは、条件に合致すれば無償貸与という奨学金も複数ありました。
今でもお金がない学生に比較的優しいのが公立の看護学校です。
2年課程に進学する方も、自分の所属している病院や施設などに確認して直接交渉してみると道が開ける場合があるので、ちょっと勇気がいりますが、お聞きするといいです。
奨学金がもらえそうか、いろいろ調べてみると、
東京都ホームページ 東京都看護師等就学資金
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/shikaku/syugaku/index.html
独立法人日本学生支援機構ホームページ
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/index.html
などからもらえます。
参考まで。
多分常時バイトは無理 でもバイトする経験も大切かも?
バイトが可能かどうかは、専門学校によりけりです。
私の在学当時はばっちり働きながら学生生活を送っている人も結構いました。
ただ、臨床経験豊富な学生であっても実習中にバイトなんて不可能でした。
又、臨床経験なしで進学した学生に対してはかなりしつこく「バイト禁止」とのお達しがあり、微妙なダブルスタンダードが学校にも存在することを教務の先生方の態度から学びました。。
実習期間じゃなければ、普通の飲食店なんかのバイトはやってみたら実習の気晴らしになるし、看護師になろうか迷ったときに考え直すきっかけになります。
他の仕事をやってみて
「看護師になりたい」という思いを改めて強くする人も多いです。
私は、成績不振のために1年の夏休みで病院を退職して学生生活に専念しています。。
入学後、准看護師と看護師の違いに悩む日々
准看護師としてキャリアがあり実務は結構こなせている人は、
「看護師」って何なのか?と考えつめるようです。
入学後の看護技術の授業では、
技術的な面は「できているもの」として進められました。
その代わり、もうしつこいくらいに
「なぜ、こういう手順でやるの?」
という根拠を考えるように促されます。
でも、仕事は、そういう理屈が厳密にわからなくてもこなせてしまっているから、
いまさら考えろって言われると本当に困ってしまう訳です。。
そして臨床経験なしの進学コースに入った私のような先入観のない学生の方が、
どんどん理論と根拠を吸収していきます。
その反面、ケアを行う手がおぼつきません。技術力は決定的に不足し、ぎこちないのです。何をどうやったらうまくいくのか、一人でトライ・アンド・エラーを繰り返しました。
一年生といっても、バックグラウンドが全然違う者同士が異なる理由で途方にくれていくのでした。。
グループワークの妙 みんなで国家試験合格を目指して
そんな状況の中、「シーツ交換」の看護技術テストの日が近づきます。
すると、ごく自然に社会人経験の長い学生が
「一緒に練習しよう」と困っている学生を誘ってくれて、
放課後の練習に熱が入っていきます。
ここでお互いのいいところを認めて、伸ばしあっていこう
という雰囲気が一気に生まれました。
進学コースは社会人の割合が多めです。
シングルマザーや既婚の学生、
自衛隊からの出向組など(!)
いろいろな事情の学生がいました。
いつも友達とべたべたするような雰囲気はありませんでしたが、
実習やテスト前のいざという時の結束力は異様なほどでした。
私のいた看護学校は3年課程も併設されていたのですが、
そっちの学生の方が退学率も学力も入学後は低迷気味だったようです。
バイトも遊びも色々やりたい現役生、上京するのが目的となってしまうと元の道に戻るのは至難の業となります。
看護師になりたいという気持ちがどこかにいってしまい、
退学する学生も実はどの看護学校にも結構います。
看護学校は、看護師以外につぶしの利かない専門学校なので、よーく考えてから進学しましょう。。
国家試験までの道のりと就職
実習を進めるうちに、外科系が好き・内科系が好き、急性期で展開の早い実習場がいい・患者さんとじっくり話せる慢性期がいい、という好みがでてきます。
色々悩みながらも、それぞれ職場を見つけてみんな就職していきました。
当時の都立の看護学校だとほとんど行けば受かる、バブリーな状況でした。
今はどうなっているんでしょう。。
もちろん、国家試験もほぼ全員合格して、意気揚々と新しい職場へと向かうのでした。
離職率 新卒・既卒の平均で10%前後 コスト・パフォーマンス悪い資格かも?
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0430-7b.pdf
ちょっと古いけど、これでみても看護師の離職率って結構高いのです。
折れ線グラフの高低があまりないので、全産業の従業者と新卒と既卒の看護師の離職率は時間経過してもそんなに変化はなさそうかと思われます。
この資料から、10%前後は新卒でも既卒でも入れ替わる状況がある模様。。
具体的に、私の卒業後15年位経ってから開催された都立の某看護学校の同窓会を例にお話しすると。。
クラスメート40名程で、まだ看護師をしていたのが約半分の20名程。そのうち、フルタイムで働いていたのはそのまた半数の10名程です。
意外な人が仕事をすぐにやめていて、もういいかげんだなあとあきれられていた私が仕事を続けていました。
私が看護師稼業を続けてこれたのはただ「やめなかった」だけ。。
ひたすらサバイブし続け、「えいやっ」と転職サイコロを回しつつ、管理者に恵まれたり職場環境に恵まれて、運がよかったと感じています。
もしかしたら、今も昔の私のように転職サイコロを投げ続けている看護師がいると思うのです。
そんなあなたに向かって、言いたいです。
看護のお仕事の楽しさが少しでもあれば、きっと大丈夫。
お互いにこの看護師稼業をただサバイブできているだけで、大したもの。
無理せず自分のペースを貫いていきましょう。
続く。。